目次
【はじまりの感覚】
わたしは、ときどき思う。
これは本当に「終盤」なのだろうか、と。
朝の空気、歩き慣れた道、
変わらない日常のなかで、
胸の奥に小さなざわめきが残っている。
それは焦りでも後悔でもない。
「まだ行ける」という、静かな予感だ。
少年のように無鉄砲ではない。
けれど、確かに何かが動こうとしている。
【少年ではないという事実】
わたしはもう少年ではない。
体力も、勢いも、万能感も知っている。
無理がきかないことも、
失うものが増えたことも、
ちゃんと理解している。
だからこそ、
選ぶことの重さを知っている。
大人になるとは、
夢を諦めることではなく、
現実を抱えたまま進むことだと、
いまなら言える。
【かっこよくなくていい理由】
冒険と聞くと、
派手で、勇敢で、
称賛される姿を想像しがちだ。
でも、わたしの冒険は違う。
汗もかくし、
迷いもするし、
成果が出ない日もある。
誰にも気づかれない挑戦。
拍手のない前進。
それでも、
自分がワクワクしているなら、
それでいいと思えるようになった。
【不確かさの中へ踏み出す】
どうなるかわからない。
失敗するかもしれない。
遠回りになるかもしれない。
それでも、
経験してみたいと思う気持ちは、
まだ消えていない。
安全な場所に留まる理由は、
いくらでも並べられる。
けれど、
動かない理由ほど、
心をすり減らすものはない。
不確かさは怖い。
だが、不確かさの中にしか、
新しい景色はない。
【まだ終わっていない証拠】
もし本当に終わっているなら、
こうして考え続けてはいない。
何かをつくりたい気持ち。
試したい衝動。
確かめたい未来。
それらが残っている限り、
物語は続いている。
わたしはまだ、
「その先」を想像できる。
それが、
終わっていない何よりの証拠だ。
【ここから始めるという選択】
過去をやり直すことはできない。
若さを取り戻すこともできない。
けれど、
「ここから始める」ことだけは、
いつだって選べる。
いまの自分で。
いまの条件で。
いまの覚悟で。
派手じゃなくていい。
遅くてもいい。
わたしは、
大人の冒険者として、
静かに歩き出す。
アイキャッチ画像用メモ
夕暮れの道を、一人で歩く大人の背中。
遠くにまだ見ぬ街の灯りが点在していて、足元には長く伸びる影。
派手さはなく、静かで少し寂しく、けれど確かな前進を感じさせる雰囲気。


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