参考書を見ながら、Illustratorの基本的な使い方を一通り覚えた。
線を引く。
形を作る。
色を重ねる。
スケッチブックの猫も、パソコンの中へ移すことができた。
できることが増えるほど、もっと知りたいと思うようになった。
Illustratorの操作だけではない。
デザインについて、さらに学びたかった。

私は、新しい環境へ進むことにした。
せっかく始めるなら、普段の環境も変えたい。
それまで続けていたアルバイトも変えた。
新しい技術や考え方に触れながら、パソコンの前で手を動かした。
昨日まで分からなかったことが、少しずつ分かるようになる。
それが楽しかった。

一通り学んだあとも、私はしばらくIllustratorで創作を続けた。
部屋で一人、パソコンに向かう。
線を引き、色を選び、思いついたものを形にする。
作っている間は、時間を忘れた。
自分の中にあるものが、少しずつ画面へ現れていく。
自分の世界を作ることは楽しかった。

けれど、一人で黙々と作業を続ける毎日は、少し寂しかった。
収入にならないことへの不安もあった。
ただ、それだけではなかった。
自分の世界は作りたい。
でも、もっと人とも関わりたい。
部屋の中だけではなく、もっと外へ出て動き回りたかった。

私は、仕事を増やした。
入れられるだけ予定を入れ、目いっぱい働いた。
創作とは違い、働けば、その分だけ収入になった。
疲れはした。
それでも、部屋で一人きりだったときとは違う時間が流れていた。

働いて得たお金が、少しずつたまっていく。
私は、そのお金で何か新しいことを始めようと考えた。
早く結果を確認できること。
同じ方法を繰り返せば、ある程度は結果を再現できそうなこと。
そうして、欧米輸入転売を始めた。




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