楽しかった続きを、また作りたい

でっさんは、出来た物語をスマホで読んでいた。
途中で笑い、 少し戻って、絵を見た。
「ここ、好きだな」
隣のたのしが、画面をのぞいた。
「さっきも、そこ見てたね」
「自分で考えた話なのに、また読みたくなる」
次の話も作りたくなっていた。
頭の中には、 キャラの言い合いや、使ってみたい絵がある。
「この感じ、また欲しいな」
でっさんが言った。
「明日も、こうやって楽しく作れたらいいのに」
たのしは、空いている椅子に座った。
「今日は、何から始めたんだっけ?」
*
でっさんは、ChatGPTとのやり取りを戻ってみた。
最初に送ったのは、 思いついた短い話だった。
まだ、題名も決まっていなかった。
「この場面、面白そうだと思って話したんだ」
そこから物語になった。
読んでみると、 自分の気持ちと違うところがあった。
言い方を変えた。 キャラの返事も直した。
絵が出来ると、 今度は、その表情に合わせて話を直したくなった。
「最初から、全部考えてたわけじゃないな」
たのしが、最初の文章を指した。
「ここには、この返事も、この絵もなかったね」
「作ってる途中で、増えたんだ」
でっさんは、カンジョー通帳を開いた。
面白そうな場面を一つ話したら、 続きを作りたくなった。
そう書いた。
*
次の日。
でっさんは、昨日の続きを開いた。
「今日は、三つ作ろう」
メモには、やりたいことが並んでいた。
文章を直す。 絵を作る。 公開する。 次の物語も考える。
けれど、最初の文章を読んでも、 何を変えたいのか浮かばなかった。
スマホを置く。
もう一度、持つ。
たのしが聞いた。
「今日は、どこが面白そう?」
「昨日の続きだから、面白いはずなんだけどな」
「どこを作りたいか、今は決まってないんだね」
でっさんは、メモを見た。
やることは決めた。
でも、見たい場面は、 一つも書いていなかった。
*
まるが、飲み物を持ってきた。
「今日は、少し疲れてる?」
「そうかもしれない。でも、昨日みたいに作りたい」
でっさんは、通帳を見せた。
昨日は、思いついたことを話していた。 布団でくつろぎながら、 返ってきた物語を読んでいた。
今日は、机に座って、 三つ完成させようとしている。
「場所も、始め方も違うね」
まるが言った。
でっさんは、椅子にもたれた。
「じゃあ、昨日と同じにしたら、また作れるかな」
たのしは、昨日の絵を一枚開いた。
「これ見てたら、俺は、このあとが気になる」
絵の中では、 たのしが何かを言いかけていた。
でっさんも、近くで見た。
「こいつ、何を言うつもりだったんだろ」
少し考えてから、笑った。
「俺が作ってもらった絵なのに、分からないな」
まるは、カップを置いた。
「そこから話してみる?」
*
でっさんは、今日の予定を閉じた。
三つ完成させるのは、 いったん置いておく。
ChatGPTに、今の絵を見せた。
「このたのしが、何か言いかけてる。このあとを考えたい」
返ってきた話を読む。
「いや、そんな立派なことは言わないな」
たのしも、画面をのぞいた。
「俺、そこまで考えてないよ」
でっさんは、修正を伝えた。
次の返事で、 たのしは、言おうとしていたことを忘れていた。
でっさんが笑う。
「そっちの方が、続きが気になる」
何度かやり取りしているうちに、 別の場面も浮かんできた。
まるが、空いたカップを持ち上げた。
「飲み終わってるよ」
でっさんは、時計を見た。
思っていたより、時間がたっていた。
昨日と同じ話ではなかった。
でも、今も続きを読みたかった。
*
でっさんは、今日の話を保存した。
カンジョー箱には、 昨日の作品と、今日の途中の話が並んだ。
一つ作ったら、 そこから、もう一つ作りたい場面が出てきた。
「明日も、これで始めればいいのかな」
たのしが、途中の話を開いた。
「明日は、こっちが気になるかもしれないしね」
でっさんは、通帳に書いた。
今日は、昨日の絵を見て始めた。 完成する数を決めるより、 気になる場面を話した方が、作りやすかった。
まるが聞いた。
「明日のために、何を残しておこうか」
でっさんは、 たのしが言いかけている場面に印をつけた。
その先は、まだ決めなかった。
「ここを開いたら、続きが気になると思う」
たのしは、印を見た。
「何を言うか、俺も考えとく」
「忘れるなよ」
「それも、まだ分からない」
でっさんは笑って、スマホを置いた。
今日は、ここまで。
途中の話が残っていることを、 今夜は少し楽しみに思えた。

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