
でっさんは、白い画面に文字を置いた。
《ここに、色々と吐き出していい》
ばつが隣に座った。
「まとまってなくても?」
「うん」
ばつは、文字を打ち始めた。
《嫌だって言いたかった》
《でも、言わなかった》
《あとから、ずっと腹が立ってる》
途中で止まり、また書いた。
でっさんは画面をのぞかず、お茶をいれた。

いかりは、勢いよく書いた。
かなしは、一行書いてから、長く手を止めた。
ほしいは、まだ誰にも話していない願いを書いた。
たのしは、思いついたことを次々に並べた。
文章になっていない言葉もあった。
誰かに聞いてほしいことも。
誰にも見られたくないことも。
書き終えたら、自分で消せるようにした。

みんなが離れたあと、でっさんも座った。
《何かを始めたい》
《楽しいことをしたい》
《でも、今日は色々と疲れた》
そこまで書いて、しばらく眺めた。
続きは浮かばなかった。
でっさんは、そのまま手を止めた。

カンジョー通帳に書いた。
《色々と吐き出せるところを作った》
まるが隣に座った。
「使ってみて、どうでした?」
「今日は、結論まで書かなくていいのがよかった」

でっさんは通帳を閉じた。
画面の続きは空いたままだった。




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