あとがき
世界は、思っているより広い。
……そう言いたいわけではありません。
この物語で描きたかったのは、
「自分には関係ない」と思っていた世界も、最初から選択肢として存在していた
ということです。
海外。
創作。
旅。
挑戦。
それらは、特別な人だけの世界ではありません。
ただ、自分には関係ないと決めていただけなのかもしれません。
だから、この物語の世界拡張局は、新しい世界を作る場所ではありません。
最初からあった世界を見つける場所です。
見えない扉も。
選択肢資料館も。
物語先行地区も。
もしも保管庫も。
橋を架ける職人も。
どれも、存在していなかったものではなく、
見えていなかったものとして描きました。
未調査区域へたどり着いた時、そこに特別な宝はありませんでした。
あったのは、景色だけです。
世界は変わっていません。
変わったのは、その景色を見る自分でした。
この物語の「世界」は、人それぞれ違います。
あなたにとっての世界は、海外かもしれません。
創作かもしれません。
新しい仕事かもしれません。
誰かとの出会いかもしれません。
あるいは、今まで避けてきた自分自身かもしれません。
もし今、「自分には関係ない」と思っている場所があるなら。
そこは、本当に関係ない世界でしょうか。
それとも、まだ地図に書き込んでいないだけでしょうか。
世界拡張局の工事は、今日も続いています。
地図はまだ完成していません。
きっと、人も。
感情も。
人生も。
ずっと拡張中だからです。
だから、急いで世界を広げなくても大丈夫。
まずは、自分の地図を少しだけ見渡してみる。
その先に、新しい道が見つかる日が来るかもしれません。

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