シリーズ7|飛ぶ前の人― 飛べない時間にも居場所がある ―|あとがき

カンジョー通帳

飛ぶことができた日よりも、飛べなかった日のほうが、人生には多いのかもしれません。

あと一歩が出なかった日。

準備ばかりしていた日。

怖いと言えなかった日。

何も決められず、ただ座っていた日。

この物語は、そんな「飛ぶ前」の時間を書きたくて生まれました。

飛び台は、今日も高いままです。

飛ぶ前ベンチも、あの場所にあります。

飛ぶ前センターは、まだ建設中です。

完成する日は、来ないのかもしれません。

人も。

感情も。

人生も。

きっと、ずっと建設中だからです。

だから今日も、飛べなくて大丈夫。

飛ぶ前の時間にも、ちゃんと意味があると、この街は知っています。

私も、ときどきそのベンチに座ります。

何も決めなくていい日があります。

ただ座って、風が通り過ぎるのを待つだけの日があります。

もしあなたにも、そんな日があるなら。

この街のベンチは、いつでも空いています。


⚠️ 安全上の注意

この物語に登場する「飛ぶ」という行為は、人生の選択や挑戦を描くための創作上の表現です。
現実の高所から飛び降りる行為を勧めるものではありません。
大変危険です。絶対に真似をしないでください。

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