この記事の要約
- 世界拡張局は、誰にも確かめられていない場所を再び地図へ戻す仕事をしている。
- 都市地図に「未調査区域」を示す赤い印が新たに確認された。
- 簡易調査隊が現地へ向かったが、地図にあるはずの道は消えていた。
- 原因は分からず、調査は中止となり再調査が決定した。
- 世界拡張局は、新しい世界ではなく、最初から存在していた世界を見つけ直そうとしていた。
🧭 判断ログ
判断:未調査区域を正式な調査対象として扱う
場面:都市地図の赤い印が未調査区域として確認された場面
やり方:簡易調査隊を編成し、地図をもとに現地確認を行った
変化:地図に存在する道が現地では消えていることが判明し、未調査区域の再調査が正式に決定した
物語
朝の世界拡張局では、巨大な都市地図を囲むように局員たちが集まっていた。
世界拡張局の仕事は、新しい世界を作ることではなかった。
「自分には関係ない」と思われたまま、誰にも確かめられていない場所を見つけ、もう一度地図へ戻すことだった。
海外地区、創作地区、旅地区、挑戦地区。
どれも都市には存在している。
それでも、自分には関係ないと思う人にとっては、地図の外側と変わらなかった。
その朝、一枚の都市地図へ新しい赤い印が付いた。
部屋の空気が静かに変わる。
担当局員が資料を机へ置き、「未調査区域です」と報告した。
でっさんは地図をのぞき込む。
赤い印の先には細い道が一本描かれ、その先だけが白く空いていた。
局員が資料を開く。
発見は今日ではなかった。
以前から地図には記録されていた。
ただ、一度も現地確認が行われていなかった。
存在は知られていた。
それでも誰も確かめていなかった。
局長は短く現地確認を指示した。
翌朝、簡易調査隊が編成される。
正式隊員ではないほしいも、当然のように加わった。
でっさんは赤い印の付いた地図を持ち、都市の外縁部へ向かった。
最初は地図どおりだった。
舗装された道が続き、街路樹が並んでいた。
しかし進むにつれ建物は減り、風だけが強くなる。
先頭の局員が足を止めた。
でっさんも前を見る。
道が消えていた。
地図には続いている。
しかし目の前には草地しかなかった。
舗装は途中で途切れている。
隊員たちは周囲を調べた。
別の入口を探し、座標を確認し、地図を見直した。
結果は変わらなかった。
地図には道がある。
現地には存在しない。
原因は分からず、安全確認もできないため、その日の調査は中止となった。
夕方、世界拡張局へ戻ると会議室では報告書がまとめられていた。
未調査区域確認。
接続経路消失。
原因不明。
再調査。
記録はそれだけだった。
局員たちは次の仕事へ戻っていく。
でっさんだけが地図の前に立ち止まった。
存在は知っていた。
それでも誰も行かなかった場所。
そこは本当に地図の外側だったのか。
それとも、「自分には関係ない」と思われ続けた結果、誰も歩かなくなっただけだったのか。
赤い印は静かに地図へ残っている。
世界拡張局の仕事は、世界を広げることではない。
最初から存在していた世界を、もう一度見つけることだった。
※この文章は、あくまで私の主観による文章です。
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