この記事の要約
- 飛び台へ向かう途中の古いベンチに撤去工事の線が引かれた。
- まるはベンチの前へ立ち、その場所を残したい気持ちを示した。
- かんがは図面を書き換え、ベンチを避ける設計へ変更した。
- 工事は続きながらも、飛ぶ前に立ち止まれる場所だけは残された。
- 街は飛ぶ人だけでなく、飛べなかった時間も大切にする街へ変わり始めた。
🧭 判断ログ
判断:飛ぶ前に立ち止まる場所は残すと決めた。
場面:飛ぶ前ベンチの撤去工事で、作業員が撤去を始めようとした場面。
やり方:まるがベンチの前へ立ち、かんがが図面を書き換えて工事の線を変更した。
変化:工事は続いたまま、飛ぶ前に立ち止まれる場所だけが街に残った。
物語
朝、工事車両が街へ入ってきた。
でっさんが飛び台へ向かうと、新しい建物の図面が広げられていた。
作業員たちは杭を打ち、地面へ白い線を引いていく。その線は、飛び台へ向かう途中にある古いベンチの前で止まった。
「ここは撤去ですね。」
「新しくしたほうが使いやすいです。」
「古いですから。」
誰も反対しなかった。
工具を持った作業員がベンチへ近づく。
その時、まるが歩き出した。
でっさんは、その後ろ姿を見ていた。
まるは必要だと思った場所では迷わない。
それを何度も見てきた。
それでも、この日は歩幅が少しだけ重く見えた。
作業員が声をかける。
「危ないので、どいてもらえますか。」
まるは首を横に振った。
そして、ベンチへ手を置いた。
「みんな、座ったことあるよ。」
それだけだった。
風が吹く。
誰も話さない。
古い木の板が、小さく鳴った。
その音だけが残る。
そのベンチには、いろいろな時間が残っていた。
飛びたいと言えずに帰った日。
飛ぶ準備だけして終わった日。
飛び台まで来て、そのまま座り込んだ日。
怖いと言えず、何も話さず帰った日。
飛べなかった日は何度もあった。
そのたびに、このベンチは同じ場所にあった。
長い沈黙のあと、かんがが図面を持ち上げた。
ベンチを見る。
図面を見る。
もう一度ベンチを見る。
そして作業員へ向き直った。
「責任は、私が持ちます。」
鉛筆で一本の線を消した。
新しい線を引く。
ベンチを避ける線だった。
作業員たちは図面を見つめ、静かにうなずいた。
工事はそのまま始まった。
ただ、ベンチだけは残った。
まるは何も言わず、手を離した。
風が吹く。
古い木の板が、もう一度だけ鳴った。
でっさんは、その音を聞いていた。
飛べた日ではない。
飛べなかった日を過ごした場所が、この街には残った。
※この文章は、あくまで私の主観による文章です。
記録と設計を見る
シリーズ7事業構築ログ
主役キャラ:まる
💰 収益設計
世界観強化型
理由:シリーズを象徴する「飛ぶ前ベンチ」という場所を軸に、世界観全体の価値を高められる内容のため。
商品化方法:シリーズ設定資料(PDF)・世界観ガイド・書き下ろし特典
販売単位:複数記事まとめ

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