この記事の要約
- 祭りは始まったが、まるは飛び台の先端から動かなかった。
- 飛ぶことだけが正解ではないと、まるは新しい選択肢を示した。
- 飛びたい人、飛びたくない人、迷っている人に、それぞれの居場所が生まれた。
- 迷っている人たちは飛び台の階段へ静かに座り始めた。
- 階段は迷っている人で埋まり、誰も飛び始められなくなった。
🧭 判断ログ
判断:飛ぶか飛ばないかではなく、迷っている人は途中に座るよう位置を分けた。
場面:祭りの司会者から参加者への言葉を求められた場面。
やり方:飛びたい人は上、飛びたくない人は下、分からない人は途中と伝え、迷っている人の場所を飛び台の階段につくった。
変化:迷っている人が階段へ集まり、飛び台へ向かう通路が人で埋まり、誰も飛び始められなくなった。
物語
祭りは始まっていたが、飛び台の先端にはまだまるが立っていた。
司会者はその姿には触れず、笑顔のまま飛べ飛べ祭りの開始を宣言する。
音楽が流れ、去年飛んだ参加者が壇上へ呼ばれた。
「飛んで、本当に人生が変わりました。」
拍手と歓声が広場を包む。
その横を、よろこが案内板を持って歩き、来場者を受付へ案内していた。
舞台裏では、かなしが裏方の担当を告げられ、そのまま幕の向こうへ入っていく。
飛び台の階段では、ばつが一段目へしゃがみ込み、木材へ入った細い亀裂を指先で確かめていた。
報告書を書いて責任者へ渡す。
責任者は紙を折り、「祭りが終わってから確認します。」とだけ言って歩き去った。
その様子を見ていたいかりが、小さくつぶやく。
「落ちてから直すのか。」
返事は返ってこなかった。
広場では受付が続いていた。
飛ぶ予定のない見学者や付き添いにも飛行申込書が配られていく。
断る人より、受け取る人のほうが多かった。
司会者は飛び台の先端を見上げ、大きく手を振る。
「元隊長から、これから飛ぶ皆さんへ一言お願いします!」
音楽が少しだけ小さくなった。
まるは広場を見下ろし、静かに口を開く。
「今日は、飛ばなくていい。」
拍手が止まり、風だけが旗を鳴らした。
続けて、まるは言う。
「飛びたい奴は、上へ行け。」
「飛びたくない奴は、下へ座れ。」
「分からない奴は、途中に座れ。」
誰もすぐには動かなかった。
やがて一人が飛び台の階段の途中へ腰を下ろす。
その隣へ、もう一人。
ほしいも上でも下でもない段を選び、静かに腰を下ろした。
でっさんは、その隣へ座る。
何も話さなかった。
少し離れた場所にも一人。
さらにまた一人。
人が少しずつ階段へ座り始める。
飛びたいとも、飛びたくないとも決められない人たちが、静かに階段を埋めていった。
上へ向かおうとしていた人が足を止める。
「通れない。」
でっさんは立ち上がり、道を空けようとして一段下へ降りようとした。
そのとき、後ろを振り返る。
後ろの段にも人が座っていた。
さらにその後ろにも、そのまた後ろにも、人が続いている。
迷っている人だけで、階段はいっぱいになっていた。
でっさんはしばらくその景色を見つめる。
そして元いた段へ戻り、もう一度静かに座った。
飛行隊員たちが階段の下へ集まり、通路を空けるよう呼びかける。
誰も立たなかった。
誰も押し合わなかった。
ただ、座っていた。
飛び台の先端からその様子を見下ろしたまるは、一言だけ口にした。
「空いていない。」
音楽は流れ続け、屋台も営業を続けていた。
祭りは終わっていなかった。
それでも飛び台へ続く階段だけは、迷っている人たちが座り続ける場所になっていた。
※この文章は、あくまで私の主観による文章です。
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シリーズ7事業構築ログ
主役キャラ:まる
💰 収益設計
世界観強化型
理由:世界観の価値観を象徴する場面であり、シリーズ全体の軸となるエピソードのため。
商品化方法:シリーズ設定資料・電子書籍・note・世界観ガイド。
販売単位:複数記事まとめ。

⚠️ 安全上の注意
この物語に登場する「飛ぶ」という行為は、人生の選択や挑戦を描くための創作上の表現です。
現実の高所から飛び降りる行為を勧めるものではありません。
大変危険です。絶対に真似をしないでください。

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