シリーズ7|波のある街|第8話|看板を見たくない日

カンジョー通帳

この記事の要約

  • 街の入口で、看板の前に立ち止まった。
  • 看板を壊さず、古い布で静かに覆った。
  • 街も工事も残したまま、名前だけを見ない一日を選んだ。
  • 門は開けず、そのまま街の外れまで歩いた。
  • 見えなくしたのは街ではなく、自分が向き合う名前だった。

🧭 判断ログ

判断:街の名前を見ないようにすると決めた。
場面:街の入口で案内板に布を掛け、そのまま門を開けずに過ごした。
やり方:古い布で看板を覆い、紐で軽く固定して一日そのままにした。
変化:看板も街も残ったまま、街の名前だけを見ずに一日を終えた。


物語

朝、でっさんは街の入口まで来た。

門は閉じたままだった。

その横には、木製の案内板が立っている。

「波のある街 建設予定地」

まだ何もなかった頃、でっさんが自分で文字を彫った看板だった。

角は少し色あせ、雨の跡も残っている。

何度も見てきた看板だった。

今日は、その前で足が止まる。

門の横では、かなしが看板を見上げていた。

何も言わない。

ただ、その文字から目を離せずにいる。

完成していない街。

止まった工事。

描きかけの図面。

設計局。

展示館。

発電所。

全部、この看板の向こうへ続いていた。

でっさんは道具箱を開く。

その横で、いらなが古い布を取り出した。

壊すわけでもない。

捨てるわけでもない。

静かに布を広げ、看板へ掛けていく。

木に彫られた文字が少しずつ隠れていく。

端を紐で軽く結ぶ。

風が吹いても落ちない程度だった。

布越しでも、看板がそこに立っていることは分かる。

形は変わらない。

なくなったわけでもない。

今日は見えないだけだった。

少し離れて眺める。

入口の景色が少し変わる。

街が消えたわけではない。

門もある。

道も続いている。

工事中の建物も、その向こうに残っていた。

最初に目へ入る文字だけが隠れている。

かなしは布の掛かった看板を見つめたまま動かない。

でっさんは門を開けず、そのまま街の外れまで歩いた。

夕方、帰り道でもう一度だけ入口を見る。

白い布は夕陽に照らされ、静かに揺れていた。

誰かが見れば、工事をやめたようにも見えるかもしれない。

けれど看板は、そこに立ったままだった。

いらなは紐を確かめる。

外しもしない。

締め直しもしない。

そのまま門の前を通り過ぎる。

今日は、街の名前を見ない一日だった。

※この文章は、あくまで私の主観による文章です。


記録と設計を見る

シリーズ7事業構築ログ

主役キャラ:かなし

継続設計,休息,再編期,休息,かなし,Lv6共存,音声展開型,L3商品化可能,回収B_90日以内に束ね候補,通帳アーク_余韻

💰 収益設計

音声展開型

理由:街の名前を見ないという静かな判断と心情の変化が物語の中心となっているため。

商品化方法:朗読音声・音声エッセイ・noteまとめ

販売単位:複数記事まとめ

コメント